避妊去勢

最近では、避妊・去勢手術を若齢期に受ける飼い主さんが多くなってきていますが、迷われている方のご相談も多く寄せられます。 そこで、避妊・去勢手術についてご紹介します。ご参考になさってください。

避妊去勢のメリット ・デメリット

メリット

発情時のストレスからの開放

発情時には、本能的な行動が優位になるために、飼い主さんの言うことをきかなくなったり、ケンカをしたり、と動物に取っても大変なストレスです。中には発情の時期に体調を崩してしまう子もいます。

生殖器系の疾患の予防

ホルモンの影響によって起こる疾患があります。避妊・去勢手術を行うことで100%生殖器系の疾患を予防できるわけではありませんが、生殖器系疾患が予防可能となります。

望まれない繁殖を防ぐことができる

散歩の途中で交配してしまうなど、思わぬ結果があります。 また特に外に行く猫や多頭飼いの場合は、是非手術を行うようにしてください。
行動学的には、個体差はありますが、マーキング行動が減少したり、性格が穏やかになることがあります。

デメリット

肥満傾向になる

繁殖はできなくなる

手術が必要

高齢での手術では、麻酔のリスクも上昇します。術前には全身の検査を行い、麻酔をかけられるかの評価は必要です。

犬の場合

手術の時期

雌犬は生後6ヶ月から1歳ぐらいまでの間に実施するのが良いと思います。お腹の中の脂肪も少なく手術の危険性も低いからです。また、初回発情が来る前に避妊手術を行った場合と、初回発情から2回目の発情の間、2回目以降で避妊手術を行った場合で比較すると、乳腺腫瘍の発生率は0.05%、8%、26%と早期に避妊手術を行う方が、発生率が低いという報告があります。

雄犬は生後6ヶ月から1歳半ぐらいまでの間に実施するのが良いと思います。 元気が良すぎたり、マーキングが出てきた子には、早期に行う事がのぞましいです。

避妊手術方法

当院では以下の理由から卵巣摘出術を選んでいます。卵巣摘出術と子宮卵巣全摘出術の間での生殖器疾患の発生率は変わらない(子宮蓄膿症など)。卵巣摘出術の方が生体への侵襲が少ない。手術後の合併症では術後の泌尿器に関連したトラブルが起こる可能性は、卵巣子宮全摘出術の方が卵巣摘出術よりも高いことが示されています。

去勢手術方法

通常は陰嚢の頭側よりを切皮して、睾丸を摘出します。停留睾丸などの先天的異常がある場合は、開腹手術になる可能性があります。
基本的には避妊・去勢手術は1日入院となります。

猫の場合

手術の時期

猫種にもよりますが、多くの猫は5~9ヶ月齢時に性成熟を迎えますので、それくらいの時期を目安に手術の予定を組み立てると良いでしょう。特にマーキング行動の減少や性格が穏やかになることを期待するのであれば、なるべく早期の5ヶ月齢頃を目安にすると良いでしょう。

避妊手術方法

避妊手術には卵巣摘出術と卵巣子宮全摘出術がありますが、当院では卵巣摘出術を行っております。勿論飼い主さんがご希望であれば、どちらの手術でもいたします。卵巣摘出術の方が技術的には困難ですが、手術時間や出血量を最小限に抑えることができます。

避妊手術では卵巣の血管は糸を使わずにシーリングシステムを使用し、体内に異物を残さない手術を行っております。

去勢手術方法

陰嚢を切皮して、血管は糸を使わずにシーリングシステムを使用し、体内に異物を残さない手術で、左右の精巣の血管を摘出します。陰嚢の皮膚は縫合しませんが、通常数日のうちに閉鎖します。
猫の年齢や手術後の様子にもよりますが、基本的には避妊手術は1日入院、去勢手術は日帰り(当日の夕方6時以降お迎え)となります。