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2022年07⽉11⽇
いわゆる猫の歯周病

今回は、いわゆる猫の歯周病についてです。

歯周病の定義は、口腔内の細菌感染によって引き起こされる炎症性の病気であり、歯の周りの歯肉が炎症を起こしたり、歯を支える歯槽骨が溶けてしまう病気です。

軽度の場合には無症状のことがほとんどですが、重度の場合以下のような症状が出ます。

 

・口臭がする

・よだれが多い

・口を前足でしきりに気にする

・食べづらそうにしている

など

 

このような場合には、医療介入が必要になります。細菌感染なので、抗生剤でよくなるのではないかと思われる方もいますが、実は根治させることは難しいのです。

そもそも口腔内は、外界とつながっており、細菌が多数生息してる環境なのです。さらに歯周病が進行するとバイオフィルムといい細菌がバリアーを張るため、抗生剤も効きにくくなります。

そのため、医療介入で大事なことは、物理的にバイオフィルムを破壊すること、感染源となっている組織、歯を必要に応じて除去・抜歯することです。

 

実際の写真をお見せします。

この猫ちゃんは、歯周病により、犬歯の歯茎が腫れています。また、歯肉も炎症を起こしています。

 

 

そのため、まずは歯石除去をして、徹底的に洗浄したのちに、抜歯をしました。

 

 

大きな穴が空いていると食べかすなどが入ってしまいますので、歯肉フラップといい、歯肉粘膜を切開して蓋をします。

 

 

小さな穴であれば、自然にふさがるので、そのままにすることが多いです。人の歯科治療と大きく異なることは、全身麻酔が必要になることです。人であれば、局所麻酔でできることも猫ちゃんではできません。

そのため、人の歯科治療みたいに通院で実施することが現実的ではないのです。よって1回の治療で最大の効果を出すことが求められるのです。

なので、重度の歯周病の場合、歯科というより手術というイメージに近いです。

 

とはいうものの、ほとんどの猫ちゃんは日帰りで処置を行っています。

初期腎不全の猫ちゃんの場合は、1泊2日~の入院下で行っています。

費用に関してですが、

 

軽度の場合(スケーリングのみ)ですと、術前検査等含めて30,000~40,000円

中等度の場合(スケーリング+抜歯数本)ですと、術前検査含めて40,000~60,000円

重度の場合(スケーリング+抜歯+歯肉フラップなど)ですと、術前検査含めて60,000~80,000円

 

上記を目安にして頂ければ幸いです。上記料金は歯周病治療の場合であり、あくまで目安です。診療費を保証するものではありません。

気になる方は、ぜひ一度ご相談にいらしてくださいませ!!

 

 

 

 

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