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2022年07⽉23⽇
犬の歯周病治療はいつ始めるべき?

今回は、犬の歯周病治療のタイミングについてお話しようと思います。「症状がある⇒治療する」を想像するかもしれませんが、歯周病治療において「症状がある」場合は、かなり重症なケースが多いです。

 

目の下が腫れる(根尖膿瘍により)、鼻水が出る(口鼻漏により)などの症状が出ている場合には、歯周病としては重度なことが多いです。症状が重度な場合、治療も大変なことが多く、本人に対する負担が大きいだけでなく、費用的な負担も大きくなる傾向にあります。

 

そのため、当院としては、歯周病の治療は「症状がない」状態から始めることを推奨しています。そのため、歯肉炎を起こしている、歯石がついている状態であれば、積極的に治療を行っています。

 

※無麻酔で歯石除去を行っているワンちゃんは注意!!

 

無麻酔で歯石除去を行っている犬の場合、無麻酔でも歯石を取ることができるため、一見きれいな状態に見えます。しかし、歯周ポケットの掃除は無麻酔ではおそらく不可能なため、実際には歯周ポケットが深くて抜歯が必要なケースがあります。

 

無麻酔での歯石除去は、見た目も綺麗になりますし、臭いも減るのでご家族の満足度は高いかもしれませんが、ご家族だけが満足しているのです。本人たちにしてみれば、苦痛ですし、治療にもならないため、満足していません。(おそらく)

 

一例紹介します。

見た目は軽度に歯石が付いているだけです

 

 

実際には、犬歯内側の歯周ポケットが深くエレベーター鉗子で容易に抜歯できました。この状態を放置しておくと口鼻漏に発展し、鼻炎を発症します

 

 

今回は口鼻漏ではありませんでしたが、抜歯窩が深いときには、歯肉フラップを形成して閉鎖しています

 

 

このように見た目に惑わされてはいけません。特に犬歯の内側のポケットは深くなりやすく、要注意ポイントです。

 

自分の子が、治療が必要な状態かどうか気になる方はぜひご相談くださいね!!

※3歳以上の犬の70-80%が歯周病といわれています。

 

 

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